豊中まちづくり研究所主催の第170回敬天塾で、「BRT大船渡線の東日本大震災被災地における役割と今後の可能性」という話題提供をさせていただくことになりましたのでご案内いたします。
2013年6月にオープンした「居場所ハウス」のプロジェクトに関わったことがきっかけで、岩手県大船渡市末崎(まっさき)町に住み始めようになりました。
「居場所ハウス」のプロジェクトとは別に、高台移転によって住宅が建設され、仮設住宅が閉鎖されていく様子、防潮堤が建設されていく様子など、末崎町では東日本大震災後の風景の変化を記録することを心がけてきました。その1つが、BRT大船渡線です。近所にBRTの「碁石海岸口駅」が新設されたため、日常の買い物や関西との往復などのためにBRTを利用してきた。BRTを利用する頻度は1ヶ月に数回程度ですが、地域の方、特に車を運転される方の多くはBRTを利用しないため、地域の中では比較的BRTを利用してきた方だと思います。
BRTは、Bus Rapid Transitの略で、「バス高速輸送システム」と呼ばれることもあります。2022年9月7日に国土交通省総合政策局・都市局・道路局が『道路空間を活用した地域公共交通(BRT)等の 導入に関するガイドライン』を刊行しており、今、注目されている公共交通機関だとも言えます。
敬天塾では、利用者という立場から記録してきた資料などをもとにして、BRTについて話題提供をしたいと考えています。
BRT大船渡線の東日本大震災被災地における役割と今後の可能性
第170回敬天塾
- 主催:豊中まちづくり研究所
- 日時:2023年4月18日(水)18時30分から
- 会場:阪急豊中駅前 ホテルアイボリー 1階 榧の間(かやのま)
- 会費:1,000円
- テーマ:BRT大船渡線の東日本大震災の被災地における役割と今後の可能性
- 講師:田中康裕(Ibasho Japan代表、千里ニュータウン研究・情報センター事務局長)
講演概要
BRTとはバス・ラピッド・トランジット(Bus Rapid Transit)の略で、「走行空間、車両、運行管理等に様々な工夫を施すことにより、速達性、定時性、輸送力について、従来のバスよりも高度な性能を発揮し、他の交通機関との接続性を高めるなど利用者に高い利便性を提供する次世代のバスシステム」(国土交通省ウェブサイトより)のこと。バス高速輸送システムと呼ばれることもあります。
近年、BRTが国内・国外の都市で採用が進められています。東日本大震災の被災地でも採用され、度々、BRTに乗車してきました。第152回豊中まちづくりフォーラム(2021年10月)で、東日本大震災の被災地である岩手県大船渡市について話題提供したところ、BRT大船渡線に関していくつかの質問をいただきました。そこで今回は改めてBRT大船渡線をとりあげ、BRTの仕組み、BRTが東日本大震災からの復興において担ってきた役割と現状、そして、BRTの可能性などについて話題提供したいと考えています。
講師プロフィール
2007年、大阪大学大学院工学研究科・博士後期課程修了、博士(工学)。大阪大学大学院工学研究科・特任研究員(2007〜2008年)、清水建設技術研究所・研究員(2008年~2013年)を経て、2013年から岩手県大船渡市の「居場所ハウス」の運営・研究に参加。千里ニュータウンでは、現在でも千里ニュータウン研究・情報センター(ディスカバー千里)の活動に参加。フリーランスの研究者。
〈著書・共著〉田中康裕『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)、田中康裕『まちの居場所、施設ではなく。:どうつくられ、運営、継承されるか』(水曜社, 2019年)、日本建築学会編『まちの居場所:ささえる/まもる/そだてる/つなぐ』(鹿島出版会, 2019年)、ダチケンゼミ編『足立孝先生生誕百周年記念論文集:人間・環境系からみる建築計画研究』(デザインエッグ社, 2019年)、高橋鷹志・長澤泰・西村伸也編『環境とデザイン(シリーズ〈人間と建築〉3)』(朝倉書店, 2008年)など。
参加申し込み
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