Ibashoカフェのためのデザイン・ワークショップ@フィリピンのバゴング・ブハイ

2016年11月23日(水)、IbashoフィリピンのメンバーらとIbashoカフェの建物についてのワークショップを開催しました。
Ibashoフィリピンは拠点となる空間を確保することができないため、拠点がなくても実施できる活動を徐々に進めていくという考えで、ペットボトルのリサイクル、農園、モバイル・カフェ、ビンゴ大会などの活動を行ってきました。農園の一画には東屋を作って、メンバーが集まる場所になっています。
しかし、いずれは拠点となる空間を確保したいというのがメンバーの思い。拠点となる空間をどうやったら確保できるかを模索するため学校、行政との話し合いを続けてきました。この間、連携しようとしていた団体が破産したり、行政の体制が変わったりするなどの紆余曲折がありましたが、拠点となる空間を確保できる目処が立ってきました。

バランガイ・ホール(Barangay Hall)に隣接する屋根付きのバスケットボール・コート脇に、地区の高齢者協会(Senior Citizens Association)の建物を建てることが認可。高齢者協会では日常的に建物を利用するわけではないため、その建物をIbashoフィリピンのメンバーがIbashoカフェとして利用するという計画。
この日のデザイン・ワークショップは1日かけて、①敷地を実際に訪れてサイズを測る、②建物をどのように運営するかを考える、③建物の平面プラン(間取り)を考えるという3つの内容を行いました。

①敷地のサイズを測る
実際に敷地を訪れてサイズを測るのは、どのぐらいの広さになるのかというイメージを持ってもらうため。メンバーらがメジャーで長さを測ったところ11.8m×9.2m=約110㎡の大きさであることがわかりました。市役所の担当者からは汚水浄化槽を避けたり、バスケットボール・コートに雨水を流さなかったりする必要があるため、建物の面積は9m×7m=63㎡ほどになるという説明がありました。

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②建物の運営方法を考える
敷地のサイズを測定した後、一旦、空間の面積から外れて、建物をどのように運営するかについて意見を出し合いました。これは、空間の大きさに縛られ過ぎると発想が貧困になるため、その建物で何をしたいかという夢を描いてもらうプロセスが必要だというIbasho/Ibasho Japan代表のEさんの提案によるもの。
9時〜9時半は子どもの休み時間なので子どもに遊びに来てもらえるようにIbashoカフェは9時にオープンすること、12時〜13時の間は昼食を販売すること、17時に閉店するが、バスケットボール・コートでイベントが行われる時は運営時間を延長すること、などの意見が出されました。また、9時にオープンするのであれば、それより前に来て準備をする必要があることなどの確認をしました。
この後、3つのグループに分かれてIbashoカフェでどのように過ごすか、昼食のメニューはどうするか? 運営には何人必要か? 子どもに来てもらうにはどうすればよいか? などを話し合いました。

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③建物の平面プラン(間取り)を考える
最後に、実際の敷地の面積に即して、平面プラン(間取り)を模造紙に書いてもらいました。この時には、建物へはどの方向から出入りするか、キッチン・トイレの水回りと、先日小学校の先生から要望のあったライブラリー(図書コーナー)はどこにあればよいかは最低限、書き込んで欲しいと依頼。
3つのグループに分かれて平面プラン(間取り)を模造紙に書いてもらいましたが、現役時代の経験をいかして間取り図ではなく、きちんとした平面図を書く方も。提案された平面プラン(間取り)はグループごとに特徴のあるものでしたが、道路側ではなくバスケットボール・コート側に入口をもってくる、汚水浄化槽側の細長い空間は庭にしたいなどの共通点が見られました。

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この時間帯には小学校5〜6年の子どもたち8人も参加してくれました。子どもたちにも、まず敷地を見てもらった後、2つのグループに分かれて平面プラン(間取り)を模造紙に書いてもらいました。
子どもたちからはライブラリーが欲しい、遊び場(テレビ、インターネット)が欲しいという意見の他に、クリニックが必要だという意見。高齢のメンバーにとっては、自分たちだけで使うのではなく、どのような空間にすれば若い世代にも来てもらえるかを考えるための貴重な機会になったと思います。

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ワークショップを終え、後日改めて、高齢者協会(Senior Citizens Association)ではどのような機能を必要としているか、トイレは建物内に作るのではなく既存の屋外のトイレを改修して使うことの可能性、キッチンは屋内・屋外のどちらがよいかを確認しました。
スペースが限られているためメンバーや子どもたちから出された要望の全てを満たすことはできませんが、今後、ワークショップの結果をふまえながら、市役所の担当者や建築家との話し合いを行っていくことになります。